28年12月定例会・社会資本整備事業・児童虐待に対する対応について質問しました。

2016/12月第4回定例会
    〔10番 西川良夫君登壇〕
●10番議員(西川良夫君) 議長の指示により一般質問を行います。
 それでは、社会資本整備事業に関する課題についてでありますが、2 0 11年に起こった大震災の復興事業や、東京五輪の決定により、建設業界の需要が上昇していることは、業界の成長として大変好ましい傾向ですが、それに伴い、建設業界は深刻な人手不足が続いており、特に、技術者、技能者の不足が深刻で、震災の復興事業は予定よりも進捗が遅れていろとのことであります。

また、建設業界に就職する若者は減少が続いており、2 0 2 0年までに、合計で15万人の労働力が不足すると予想され、建設労働需給調査の今後の予想でも、2017年1月の見通しは困難が増加しております。建設業界は長期間にわたって市場が縮小し、その間、各社は熾烈なダンピング競争を繰り広げた結果、そのしわ寄せが末端の労働者に集中したと言われております。

社会資本整備事業として、本町でも、防災対策や橋梁の長寿命化、上下水道事業や公共施設の更新など、長期にわたる事業が継続しておりますが、建設業界の安定した経営により、若者にも魅力的な職業として人材確保につながるような、取組も必要ではないかと思います。 

10月に徳島県建設業協会とのヒヤリングを行いましたが、そこではいろいろな意見が出てまいりました。公共工事の完成時期は、年度末に集中する傾向が強く、着工時期の違いはあっても、年度末においては繁忙期になるので、技術者を含めた建設現場労働者の工面や資金繰りなど、企業負担が大きくなっている一方で、閑散期とも言われる4月からの数か月は、年度末に比べて工事量が大きく減少し、売上、収益の確保など、こちらも企業経営にマイナス要因となり、一時期に工事が集中しないように発注、施工の平準化を求めております。

公共工事の年度末集中は、同じ年度内での予算執行と完結を原則としていることだと思いますが、契約の仕方や債務負担行為の活用等によって、工事の平準化とともに予算の執行も早くなるのではないかと思いますが、状況をお伺いします。

もう1点け、建設業界の安定した経営と品質確保のための、改正品確法が平成26年に改正されました。これについては、発注者責務が規定されております。改正により追加された事項では、発注者の責務として、担い手育成・確保のための適正な利潤が確保できるような予定価格の適正な設定であります。

いわゆる、歩切りの禁止、ダンピング受注の防止、また、多様な入札契約方式の導入などでありますが、本町の運営状況をお伺いします。

続いて、子育て支援についてお伺いします。

虐待を受けている疑いがあるとして1月から6月に徳島県警が児童相談所に通告した18歳未満の子供は134人と、前年同期に比べ26人増加しております。半期ごとの記録が残る2 0 13年以降でも、最も多いと9月には県警のまとめで報告しております。

警察庁は、すぐには虐待と判断できない児童についても、児童相談所や市町村と情報共有を徹底するよう、全国の警察に通達しておりますが、昨年1年間で3 , 7 6 3件、徳島県は200件であります。この情報提供は、今年、上半期だけで7 , 3 9 7件に伸びました。

全国の警察が、1月から6月に虐待の疑いで児童相談所に通告した子供は、2万4511人で、半期ごとの統計かおる2 0 11年以降、初めて2万人を超え、過去最高となっております。虐待によって犠牲になる子供の数は、毎年、約100人と言われており、3.6日に1人の割合です。

安倍政権が掲げる女性の活躍や一億総活躍社会など、女性の積極的な社会進出により、働きながら子育てをするのが当たり前の社会になっております。特に、最近は少子化や核家族化、あるいはコミュニティの崩壊に経済不況等の世相が加わっての生きづらさの現れと語られており、虐待はどの家庭にも起こりうるものとして捉えられるようになりました。

子育ての悩みなどについて、気軽に相談できる大が身近にいないなど、複雑多様な社会の中で、様々な要因が重なり、精神的に追い込まれるケースが虐待の原因になるとも言われている。藍住町では、この児童虐待を未然に防ぐ対策として、どのような取組をしておりますか、お伺いします。

次に、厚生労働省は、子育てに問題かおる家庭への支援拠点を設置する市町村に対し、施設の整備費や人件費の一部を補助する方針を固めました。自治体に支援拠点の整備を促すことで、児童虐待の未然防止につながる考えでありますが。 

2017年度の予算の概算要求に必要経費として盛り込むことになっております。支援拠点では、児童相談所で一時的に保護するほどの緊急性はないものの、家庭訪問などで食事や衛生面などに問題があると判断された家庭を対象に支援することになっております。

児童福祉や心理学の専門職員などを配置し、継続的に子供の養育状況の聞き取り調査やカウンセリングを行い、さらに、支援拠点を設けるために既存の施設を改修したり、専用の施設を新設したりする市町村への整備費や人件費の補助を想定していろとのことです。

改正児童福祉法が今年5月に成立し、来年4月からの施行となりますが、改正法は保護と支援の機能を分け、子育て支援などで対応できると判断された事案は、主に市町村の業務としております。

また、支援拠点の整備を努力義務として定め、財政規模の小さな自治体にも整備を促すため、複数の市町村が共同で拠点を整備、運営するケースも補助対象とする方向で調整していろとの報道であります。この支援拠点の整備については、これからのことでありますが、どのように考えておりますかお伺いします。以上、答弁によって再問いたします。

○議長(森志郎君) 近藤建設課長。 〔建設課長 近藤孝公君登壇〕
○建設課長(近藤孝公君) 西川議員さんの御質問のうち、社会資本整備事業に関する課題について御答弁をさせていただきます。

平成26年6月に改正されました、公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる改正品確法では、公共工事の品質確保の担い手が中長期的に育成確保されることを目的に、受注者が適正利潤を確保できるよう、発注者の責務が明確にされました。

具体的には、予定価格の適正な設定、適切な設計変更、ダンピング受注の防止などが位置づけられました。

本町の状況としては、適切な設計変吏については、工事の契約締結後、施工条件と実際の工事現場の状態が一致しない等の場合、適切に設計図書の変吏及びこれに伴って必要となる請負代金の額や工期の適切な変更を行っております。

また、ダンピング受注の防止につきましては、全ての建設工事の入札に最低制限価格制度を適用しており、これらの取組により、国の調査によれば、企業の利益率や労働賃金の水準は改善傾向がみられる状況であり、今後とも、業界の実態を把握し、晶確法改正に伴い追加された目的の一つである中長期的な担い手確保、育成が図られるよう取り組んでまいりたいと思います。

また、工事発注の平準化、早期予算執行については、品確法第22条に基づき、国の関係省庁連絡会議において定められた「発注関係事務の運用に関する指針」の中で、実施に努める事項とされているように、年度当初からの予算執行の徹底などの予算執行上の工夫や、余裕期間の設定といった契約上の工夫等を行うとともに適切な工期を設定の上、発注・施工時期等の平準化を図るよう、より一層、努力してまいりたいと考えております。以上、答弁とさせていただきます。

○議長(森志郎君) 三木理事。〔理事(福祉課長事務取扱)三木慶則君登壇〕
○理事(福祉課長事務取扱)(三木慶則君) 西川議員の子育て支援の質問に答弁いたします。

児童虐待に関する未然防止対策の現状については、児童虐待が疑われるケースの相談や通報については、直接、児童相談所や警察署に行われる場合もありますが、町に対して相談や通報があった場合は、緊急度や困難度を判断するための情報収集を行い、継続的な関与が必要と思われるケースの対応は、児童相談所に相談又は通報をしているところです。

町のほうで、児童や保護者の継続的な見守りが必要なケースは、要保護児童対策地域協議会の関係者によるケース会議を開催し、情報の共有化や連携を図り、必要な支援を行っているところです。

また、子供と直接関わりを有している機関などを通じて、支援を必要とする家庭を早期に発見して、関係者によるケース会議を行い、適切な支援活動を行うように努めています。

次に、家庭での養育が困難な児童に対して支援拠点等の整備についてですが、児童虐待の発生予防から自立支援まで、児童福祉法の一部改正により、一連の対策の吏なる強化等、平成29年4月1日からその対応が求められているところです。

1点目としては、国・地方公共団体の役割・責務の明確化により、市町村の役割としては、基礎的な自治体として、児童の身近な場所における継続的な支援業務を適切に行う。

2点目としては、児童虐待の発生予防として、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援等を通じて、妊娠や子育ての不安、孤立等に対し、児童虐待のリスクを早期に発見し、減らしていく。

この点に関しては、母子保健事業の実施に当たって、当該事業が児童虐待の発生予防や早期発見に資するものであることに留意するよう、母子保健法で明確化することになっております。

3点目としては、児童虐待発生時の迅速・的確な対応として、児童の安全を確保するための初期対応が迅速・的確に行われるよう市町村の体制強化を行う。体制強化に向けて市町村は、児童等に対する必要な支援を行うための拠点の整備に努めるものとし、市町村が設置する要保護児童地域対策協議会の調整機関に、保健師などの専門職を配置することが義務付けられております。

4点目としましては、児童相談所から市町村へ事案の送致が新設され、一時保護、施設入所等措置など、専門的な知識・技術を要する支援、広域的な対応は、従来どおり児童相談所が行うこととし、児童相談や子育て支援により対応すべき事案については、新たに市町村が対応することになりました。

以上、主な改正点を申し上げましたが、現在、これらに対応すべく来年度からの組織体制について、準備を進めているところです。以上、答弁といたします。

○議長(森志郎君) 西川良夫君。  [10番 百川良夫君登壇]
●10番議員(西川良夫君) 答弁を頂きましたので、再開をしたいと思います。
建設課の答弁では、この品摧法の法律に従って運用していくという、そういう話でありました。それでこの品摧法については、改正になった以降、様々な基準値が変わっております。

防災・減災、社会資本の適切な維持管理などの重要性が増してきている中で、地域においては、災害対応を含む社会資本の維持管理を担う企業が不足すれば、安全・安心な地域生活の維持に支障が生じるということになります。

本町の建設業も、ここ数年の間に半数が廃業したと言われており、業界の衰退は地域社会の損失でもあります。ダンピング受注防止のための最低制限価格も、年々、基準値が変化しており、予定価格の設定に当たっては、公共工事の品質確保の点からも、技術者や技能者を中長期的に確保できる、適正な利潤を業者が得られるような価格の設定にすべきだと思います。

積算に用いる価格が、実際の取引価格と乖離しないように、可能な限り、最新の労務単価、資材等の実勢価格を適切に反映することではないでしょうか。

実際に1年ぐらいの間に、一般管理費も費目別に見てみると、労務単価何かも上がっておりますが、そういった、時に応じた実勢価格を適正に反映すること、また、入札不調などを繰り返さないためにも、積算に用いる価格が実際の取引価格と乖離しているおそれかおる場合には、適宜、見直すということだと思います。

さらに最新の施工実態や地域特性等を踏まえて、安ければよいということでなく、適正な積算によって、技術や品質を含めた評価の下で健全な競争が行われるよう、入札契約方式の改革も必要ではないかと思います。

例えば、工事の性格や地域の実情等に応じて、公共施設の維持管理等において、同一地域内での複数の種類の業務、工事を一つの契約により発注する包括的な発注方式や、継続的に実施する業務、工事に関して複数の年度にわたり一つの契約により発注する複数年度方式などがあります。

そのほか、いろいろありますが、それと入札時に工事の内訳書の提示は求めておりますか。それと、品質確保のために工事中の施工状況の確認、工事完了後はどのような手順で確認作業が行われているのかお尋ねします。

児童虐待については、いろいろな形で総合的に支援をしているわけでありますが、発生を予防するための支援として、子供の虐待は、子供の生命に関わる問題であると同時に、本来、最も安心できるはずだった保護者から裏切られたと感じながら、その場所で育っていかなければならないという、子供にとっては、大変な人権を侵害される問題でもあります。

連日のように報道される、実際に犠牲になった子供は、全く無抵抗の乳児を含めた低年齢児か多く、単に家族内の問題として片付けるわけには、いかないのではないでしょうか。

この問題は、子供の心に大きな傷を残し、情緒面、行動面の問題、社会性や対人関係上の困難性を抱えるばかりでなく、そのことは自分の子育てにも影響し、世代を越えて、その影響が引き継がれる可能性もあるのではないかと思います。

平成15年度に児童福祉法改正により、市町村は、子育て支援事業が積極的に提供されるよう体制の整備が進められ、子育て支援事業に関する情報提供・相談・助言・紹介を行うこととされ、全ての子育て家庭への支援が行われることとなりました。 

しかし、依然として、虐待が増え続ける要因として、保護者の身体的、精神的状況、養育環境等社会的背景等の様々な要素が複合的に絡み合って起こるものであり、単独の機関だけで対応できなくなったという状況があります。

情報を共有して各機関が果たすべき役割を認識して、より早期に適切な支援を行い、虐待の防止に努めることが必要ではないでしょうか。そのためにも、より多くの幅広い関係機関が参画する要保護児童対策地域協議会等のネットワークを構築し、相互に連携しながら多面的に事例に対応することが極めて重要であります。

これまで、発生予防の観点から、子供の虐待対策は、学校や地域も含めて、主に母子保健活動を行ってきた保健センター等と思いますが、養育環境のリスク要因でもある、経済不安や転居の繰り返し等の社会的要因も、子供虐待を発生させる要因の一つとして考えられていることから、生活保護、児童扶養手当、保育所入所、乳幼児医療等の申請窓口や転入届受付窓口でも、子育て家庭と接点を持つことができる機関の一つとして、リスク要因を把握し、早期に適切な支援につなげ、虐待の防止に努めていくことが重要であります。

このことについて、児童虐待を防止する支援についての対応をお伺いしたいと思います。

○議長(森志郎君) 近藤建設課長。  〔建設課長 近藤孝公君登壇〕
○建設課長(近藤孝公君)西川議員さんの再開について、御答弁を申し上げます。

まず、成績評定についてでありますが、今、県等においては、現在本町で実施している評価項目、施工状況・出来型及び出来栄えに加えて、施工体制・工事特性・創意工夫・社会性等の4項目を点数化し、評価することとされております。

本町の評価項目、基準につきましては、長い期間見直しが行われていない状況にありますので、今後、成績評定の項目の見直し及び評定結果の利活用について、検討をしてまいりたいと考えております。

また、実勢価格の摘要につきましては、現在、建設課で発注しております工事については、物価に関しては、4月と10月の単価の変更を行っております。また、労務単価につきましては、その都度、単価の変更を実施しておる状況にございます。

次に、多様な入札制度についてでございますけども、これにつきましては、御提案にもありました、包括的な発注でありますとか、複数年度の発注でありますとか、まだまだ、勉強不足の点がございますので、検討させていただけたらと考えております。

また、工事の内訳書につきましては、入札書提出の際に、提出していただいております。以上、答弁とさせていただきます。

○議長(森志郎君) 三木理事。〔理事(福祉課長事務取扱)三木慶則君登壇〕
○理事(福祉課長事務取扱)(三木慶則君) 西川議員の子育て支援についての、再問に答弁いたします。

児童虐待に関する未然防止対策ですが、昨今、家庭・地域における養育力が低下し、子育ての孤立化や不安、負担感が増大していることが課題となっております。

保健センターが行っております乳児家庭全戸訪問事業では、生後4か月までの乳児のいる全ての家庭を訪問し、様々な不安や悩みを聞き、親子の心身の状況や養育環境等の把握を行い、保健指導を実施しています。

その中で、更に養育支援が必要な家庭に対しましては、養育に関する指導・助言を行うことにより、当該家庭の適切な養育の支援を確保しているところです。こうした活動は、虐待予防や早期発見に視点をおいた活動としても効果があると考えております。

拠点整備におきましては、児童家庭に関する実情の把握、情報の提供、相談対応、調査・指導、関係機関との連絡調整を一体的に行うことが想定されております。物理的に新たな部門を設置するだけでなく、既存の機関、施設を活用しつつ、拠点としての機能を明確化することを念頭におきたいと思います。

また、ネットワークの機能を有する要保護児童地域対策協議会の調整機関が実効ある役割を果たすために、児童の問題に通じた専門性を有する人材が必要となることから、保健師などの専門職を配置することが義務付けられております。

これらの点を踏まえ、組織体制を検討し、準備を進めていきたいと考えておりま
す。以上、答弁とします。

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