自治振興セミナー 30/8/8

●30年8月27日・徳島グランブィリオホテルで開催

徳島県及び一般財団法人・地方自治研究機構

セミナーの目的

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人口減少問題の克服と成長力の確保を目指す地方創生では、地方において「地方版総合戦略」に掲げた施策について本格的に事業計画を図るなど、全力で取り組んでいる。地方創生の基盤となる地方分権改革についても第7次地方分権一括法で、都道府県から指定都市等への事務・権限の委譲、地方公共団体に対する義務付け、格付けの見直し等を推進するための関係法律の整備が行われた。

このような地方創生の推進。地方分権改革に伴って、地方公共団体が、自主的かつ主体的に地域の実情に合った施策を展開するためには、地方公共団体の、職員及び議会議員の一人一人が、地方創生や地方分権改革に対する理解を深めるとともに、政策の形成と実効性の確保に関する知識を深めることが重要である。セミナーの目的はこのような背景を踏まえ、地方公共団体の職員及び議会議員の政策形成能力、法務能力の向上を図ることを目指している。

飯泉知事のあいさつに続いて

➀人口減少時代における地方創生(大杉 覚・首都大学東京法学部教授)

・広域連携
政府が進める水道事業やごみ処理事業など、その他、事務処理等の自治体クラウドの導入により、経費節減と効率化が実現する。など

・遠隔連携
介護施設等の遠隔連携により都会から地方への高齢者が移住することなど。

・地方創生は「地域資源」「地域人材」「地域ガバナンス」のマッチング
地方にはそれぞれ特有の資源があり、それを最大限活かすことで地域を活性させることができる。その為には地域の人材を育成し育てることで大きな力となる。

・効率性、選択と集中。
これについては意義がある。何もかも効率性を追求すると過疎地に住んでいる人たちは最も効率が悪いことになる。安倍政権になっても、効率性の悪いところは予算が付かないような政策が進められ地方が見捨てられる感じがする。

公共投資も予算が増えているのは東京圏と復興事業の東北だけ、四国などは全く予算が増えていない。インフラ整備は放置されたままだ。水道事業の更新ができないから民営化?この考え方はおかしい。民営化にすればどうして更新ができるのか。

経営者は利益の出ないところを引き受けるとは思えない。そうなると田舎では生活ができないところがたくさん出てくる。生きていくうえで欠かせない水道などは政府が交付税を増額して整備をすべきだ。


②地方財政の当面の課題(人間福祉学部教授・小西砂千夫)

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・6月に閣議決定された、骨太の方針2018ではPB黒字化目標の計画が示された、地方交付税は当面、増額はしない方針だ。普通交付税が増額になった分、臨時対策債を減らし全体的な水準は今までの額を維持することになるだろう。

・地方自治体はこれまで政府の財政健全化計画に沿って健全化を図ってきた、その成果もあって基金も増加している。しかし、デフレ状態の状況で支出を抑えれば地域の経済が縮小していく。デフレマインドを克服して意識を変えなければいけない。

○小西氏の指摘はもっとも正しいが、自治体の立場でいえば、政府からの交付金は増加しない、いつ災害が発生するかわからない。その為に備えることはもっとも常識的である。それを、地方はもっと金を使うべきだと言われても、ハイそうしますとは言えないだろう。

○最も、政府は、ありもしない財政破綻論と言うプロパガンダで国民を不安に陥れて緊縮財政と増税により貧困政策を継続している。

○インフラ整備は数十年にわたって放置した結果、西日本豪雨により過去最大の人災が発生した。全ては何の意味もない財政健全化の名の基に緊縮財政を続けているのが原因だ。

○国土強靭化の促進とインフラ整備は政府の国債発行により積極的に進めなければ、国民の生命が守れない状況になっている。特に日々の生活に欠かせない水道事業は政府の支出で更新すべき問題で、財政が厳しいから民間にやらせる考えは根本的に間違っている。

○民間が利益を上げるために、水道事業をやったらどうなるかは、すでに海外の失敗例がたくさんある。その検証もせずに何でも採算性が悪いから「民間に」やらせるは頭がおかしいとしか思えない

○政府は利益を追求すべきではない。

●政府は、財政赤字が正常なのである(中野剛志・経産省官僚)