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H27年東部消防組合議会・議員視察研修報告

松茂町、北島町、藍住町の3町からなる東部消防組合。13日~14日の日程で松茂町、広瀬町長(副管理者)と共に組合議会議員の視察研修を実施した。視察先は兵庫県三田市テクノパークの消防自動車製造工場(株、モリタ)。加古川市、消防無線のデジタル化によるシステム運用状況など。

13日午後、三田工場に到着した一行を玉置工場長らが暖かく迎えてくれた。女性社員の案内で消防車の製造工程等見学をしながら説明を受けた。発注者各地域の特色など要望が異なるため、色、寸法など一台一台違う仕様になる。全て手作りで仕上げていると言う手間のかかる作業工程。

工場では、日本で活躍する消防車の半数以上がこの三田工場で生産されている。この三田工場は、最新鋭の設備を誇るアジア最大級の消防車製造工場。

高所での救助活動を可能にするはしご車をはじめ、数々の高機能消防車、全く新しい技術を提案した消防車「ミラクルキャフスカー」、は世界初、消防と救急の機能を併せ持つ「消救車」、3面開閉という新しい発想を取り入れた消防車「レッドシーガル」など、未来を見据えた新しい消防車など昨年は750台生産され、海外へも輸出される。

ドイツに輸出
ドイツからの注文にはベンツのシャシが仕様。

近年、中国での需要が急増し上海にも進出。稼働させているが、はしご車については設備等の関係で日本での製造。年々機能性や設備も進化し、一台2億円以上の消防車、財政難の小規模自治体では手が出そうにない。

放水試験場の地下10mの場所に、水槽があり、ここでは、最新の測定機器及びコンピュータープログラムを使って、水ポンプの試験を10台同時に行なうことができる。

消防車自動車については、厳しい規格基準が設定されていて、空港用科学消防車などは最大荷重44トンの大型車両。それでも時速110キロのスピードが要求される、その他、悪路走行、登坂路走行試験、転覆角度測定装置による傾斜試験、等々クリヤしなければいけない。

機能性に優れ新しい技術を駆使したハイテク消防車を扱う消防団員の技術も向上しなければ意味がない。充分使いこなせる訓練も必要になる。これからの消防活動がハード、ソフト両面の充実により一層住民の安心につながる体制ができることに期待したい。
(株、モリタ)三田工場の益々の発展を祈ると共に社員一同に感謝し工場を後にした。

加古川市役所の中にある消防本部

総務省の指示で補助金を利用して消防無線のデジタル化が進められており東部消防組合でも27年度から無線のデジタル化、司令塔の更新などの整備が進んでいる。これまでのアナログ方式と比較してデジタル化により、データ通信、画像、動画などリアルタイムで現場から送受信ができることとなった。

14日、10,30分加古川市役所に到着。市村副市長、舛賀消防長らの出迎えを受け、市政の状況、概要等の説明を受け懇談的に意見交換。その後、高機能消防指令センターを見学し説明を受けた。

センター内は55インチ液晶4面マルチ方式x4式パネルで構成されていて様々な情報が画像として表示される。

◆ 車両運用表示機能
消防で管理する車両の動態が表示される。
◆ 支援情報表示機能
気象観測情報や各種注意報、統計件数情報などを表示。
(表示内容)
1、 災害情報、火災、救急、救助、その他件数
2、 気象情報、風向、風速、気圧、気温、湿度、雨量
3、 警報、注意報
◆ 多目的表示盤機能
自動出勤指定装置や地図等検索装置画面、現場画像伝送画面や高所監視カメラを表示。

司令室
制御システム司令室

追求する迅速な対応

固定電話をはじめ、携帯電話やIP電話からの119番通報にも対応した統合型位匾情報システムにより、災害発生地点を素早く特定。

また、車両運用端末装置のGPS機能の活用により、緊急車両の位置や運用状況を常時把握しており、災害発生時には、指令台との連携により災害地点や災害規模に応じて最適な部隊を自動的に選別し、迅速な出動指令を行う。

さらに、出動する緊急車両の端末には、指令悄報と共に道路の工事状況などを反映した最短ルー卜が表示され、災害地点までの経路案内を行うため、活動隊がいち早く急行し現場到着時間の短縮につなげる。

的確な対応を求める

高櫬能消防指令センターの導入により、指令台を中心としたそれぞれのシステムが強固な連携を保ち、消防本部と活動隊との円滑な情報速絡体制が確立される。各種情報を双方向に伝達でき、事故や災害による被害の軽減や効果的な人命救助が可能となるなど、災害状況に応じた的確な活動ができるようになる。

高機能システムの構築がすごい

高機能消防指令センターでは、基本システムはもとより、危険物、防火対象物データなどを収めた支援システムをはじめ、高所監視カメラや現場映像伝送システムなどの映像システム、文字情報などの高度データ通信を可能とした消防救急デジタル無線システムなどの各糖器を钫合的に連携させ、悄報の共有化による消防力を強化している。

また、万が一の障害発生時においても、重要機器を二重化するなど、指令センタ一機能を維持できる構造としている。

センター室内では2時間交代の24時間体制で監視にあたっている。デジタル技術の進歩は素晴らしい、リアルタイムで、どこで何が起こっているか確認、救急車両の動態記録などのデータが克明に記録表示されている。

近年、災害発生の頻度が高くなり、異常気象がもたらす予測不可能な集中豪雨など局地的災害が多発する傾向にあり全国どこでも起こり得る自然災害、いち早く、正確な情報伝達が求められる時代になった。

今回の研修では住民の安全な生活を守るため、日々試作を重ねながら消防車の製造に取り組んでいる(株)モリタグループの社員の皆様の熱意が伝わってきた。加古川市消防指令センターでも市民の安心な暮らしを守るため一分一秒でも早く迅速に対応出来るよう訓練を重ね努力している様子が伺えた。

3町からなる東部消防組合は人口約7万3千人、南海トラフ地震、毎年発生する台風、大雨など油断できない自然災害に対応できる機能設備や団員の訓練が要求される。今回の研修を参考にして住民の安全のために答えられるよう取り組む決意を新たにした。

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