徳島県市町村議会議員研修会・29/8

29年度徳島県町村議会議員研修会

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8/4、徳島GBホテルで徳島県議会・市議会。町村議会の3団体が一堂に会して研修会を実施した。

講演❶・知らざれる皇室・皇室ジャーナリスト・newsキャスター・久能 靖 氏

久能靖氏

天皇陛下が生前退位を希望されている分けがよく理解できた。陛下の日常の公務がどれほど激務であるか、元旦は早朝5時30分から分刻みで各宮殿での新年祝賀の儀、一般参賀、など休む間もなく夜まで続く、80歳を超えて立ちっぱなしでの対応は大変体に負担がかかるに違いない。

儀式と言うものが我々にはどのようなものか分からないが、手すりなど何もないところで正座、立ち上がりを20回も繰り返すようなこととか、2時間も正座のまま一切動かない儀式などを各宮殿何か所も回って行う。若いものでもこなせないような行事だ。

さらに、陛下の生真面目と一切妥協を許さない性格は周りも驚嘆するほどだと言う。車を運転されるのも好きだということ、ご愛用の車は20年ほど前のインテグラ、皇居内のテニスコートへ向かわれるときも、スピードは20キロぐらい、誰も人がいないときでも、横断歩道などではきちっといったん停車するという厳格さには驚く。

ある時、愛車で公道へ出られることがあった、ゆっくり走って門を出ていこうとするそのとき急に車を停止させどうしたのかと思ったら「免許証を忘れた」と言われた。勿論陛下の車の前後にはパトカーが警護している陛下に免許の提示を求めるわけがない。陛下の厳格さをエピソードとして紹介された。

陛下は四六時中国民の安全な暮らしを望んでおられる。東日本の震災の時も熊本地震の時も現地の避難所へ積極的に向かわれ、ひざ詰めで激励されている姿はよくテレビ等で目にするところである。

陛下も皇后さまも、国民のため民衆のためにとの心労が重なってか、前立腺がん、心臓バイパス手術を受けるなどさまざまな病を経験されている。おそらく24時間心休まることはないのではないだろうか、例えば、閣僚人事などが夜中に決まった時など任命式をしなければいけない、これだけでも大変だ。

これからの皇位継承問題は、配偶者や親族はできないとのことから、女系、男系の血筋をどのように考えるのか、女は家を出て一般人となるため直径の男がいない状況になっている。女性の天皇を認めれば女系と男系の二通りの系図になる。血筋を巡って皇室内での対立が懸念される。

現陛下には国民のことばかりではなく、ご自身の健康にも十分気を付けられて長生きして頂きたい。それこそが、国民が一番望んでいることだ。




講演❷・トランプ政権と今後の日米関係・上智大学特別招聘教授・藤崎一郎氏

藤崎一郎氏

大統領選挙でクリントンはトランプ側の情報戦に僅差で負けた、報道では貧富の差とか社会的不安などと伝えられているがそうではないと思う。なぜなら、両陣営の選挙得票数は1億2500万票のうちわずか5万票、0.04%の差である。

したがってトランプ氏の勝因の背景にある、歴史の必然や、保守回帰の風潮には肯定しがたいものがある。これから彼はアメリカを大きく変えるだろう、我々もそれに備える必要がある。安倍総理が迅速にトランプ氏と関係を築いた点は評価できる。

注目を浴びているロシアとの関係は両国で世界の90%の核を保有している。さらに、常に情報戦を繰りひろげている、仲良くなることはない。中国との関係は互いに利害関係がありプラス要因になったりマイナス要因になったりしながら行くのではないか。

環境問題、貿易政策、中東政策の3つは大きく変わる感じがする。日本は今後のアメリカとの関係でトランプ氏が今まで考えていないようなことを突然言い出してくる可能性に備えて柔軟な体制を整えておく必要がある。

また、日本は自信を持つことだ、日本はアメリカ以外でも幅広い外交を展開している、各国との外交をきちんと進めることでアメリカに対してアピールすることが重要、アメリカに対してお願いする姿勢ではなく得策を理解させることだ。

つまり、日本のやり方を一方的に押し付けるのは難しいが、結果的にそうなるようアメリカ側の顔を立てながら、アジア太平洋地域の継続性、安全性などが保障されるような関係を築くことだ。以上が講演の概略

駐米大使など、各国大使を歴任された氏の講演は、通常表面に出てくるニュースでは知りえないような興味深いものであった。アメリカの経済発展は他国への征服によって発展してきたともいえる。アメリカに限らず世界情勢そのものが利益の奪い合いなのである。

その為の核抑止力やサイバー攻撃、情報戦など益々盛んになってきた。歴史は繰り返すというが、知識は高度になっても知恵は太古の時代と変わらない。この世界を無事に生き抜くには最高の知恵をもって国際社会と付き合うことだと感じた。

研修後の懇親会では藤崎先生も同席された。また、日頃顔を合わすことのない他町の議員との交流ができ和やかな雰囲気で有意義な研修会の幕となった。

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