全国コンパクトタウン議会サミットに参加

「コンパクトだから輝く街づくり」と題して、新潟県立大学国際地域学部准教授、田口一博氏の基調講演に続き、各分科会では各町の防災対策や議会改革の取り組みなど活発な意見交換を行った。田口一博氏の講演で「情報公開とは議会と住民との協同、住民に参加してもらうことが情報公開だ」また、「財政難になると国は合併を進める、平成の合併は失敗だった」など大変参考になった。

田口一博氏の講演から

1、コンパクトタウンの大切さ
・全国の自然村 150,000=郵便ポストの数 185,000
・郵便局 24,000 小学校21,400、中学校10,700

・明治の合併 37区71,314町村 から39市 15,820町村

・昭和の合併 10,505 市町村(210市、1,784町、8,511村)―3,975市町村(498市、1,903町、1,574村)

・平成の合併 3,218市町村(675市、1,981町、562村)―1,719市町村(789市、746町、148村)
・コンパクトでない町は学校が少なく決め細かく対応ができない、学校は中山間部からできた。

・財政難になると国は合併を進めてきた、平成の合併は失敗である。合併で何が良くなったのか、全く良くなっていない。
安倍内閣は新たな合併を考えている、交付金を減らす為に合併を進めるだろう。

コンパクトタウンの議会とは
・ほとんどの議会では理事者側から出てきた事案に対して、ただ簡単な説明を受け、申し訳程度に質問をし、原案通り可決されるのが通常となっている。

・後で住民からどうしてあんなものを作ったのか、あそこにあんなに金をかけるのなら、こうゆう事に使うべきだなどと批判をされることが多い。

・議会とは町長の提案に対して住民の代表から意見を聞くこと、参考人として意見を述べてもらう機会を作る、住民の納得と理解が得られなければ議会としての役割を果たしていることにならない。

・将来のことを考えて、議会に子供たちを呼ぶ、町のことに関心を持つ子供たちを増やすなど住民とのつながりのある議会をつくるなど住民参加型の議会を目指すことが大事だ。

輝く町づくりのための議論
・基礎自治体 VS 道州制と新・平成合併論をどう考えるか

・地域の住民、若者に対する、開かれた議会の運営に若者の意見や住民に入ってもらい、これからのことなど住民の意見を聞き町の反映につなげることだ。

・議会では住民とともに議論をし,結論をだしていくことが望ましい、自治法でも議員だけで議論をするとは言っていない。公聴会などを開き十分住民の意見を取り入れることが自治法でも書かれている。

議会改革 情報公開の実態。コンパクトタウンにおける手法。

・事案の決定は専門家などに調査を依頼する、また地域のことは大学などの協力をえて調査をする。また地域のシンクタンクとの連携をすることだ。
事案に対する賛否の結果は広報などで、どうゆう理由で賛成したか、反対したかを明確に
・職員と同じことをやっていてはいけない、何をやろうとしているかに注視することが大事だ。議会と協同した住民が出てくることが望ましい、街づくりは住民とともに語りともに考え意見を聞く、議会へ参加をしてもらうことが情報公開である。等々大変参考になった。

第2部 分科会

・議会改革の分科会では各町とも、議会だよりの工夫や本会議のインターネット中継、夜間議会、休日議会、出前議会など様々な取り組みで住民に議会への関心を呼びかけているようであった。

川越町議会では、平成24年度より従来、予算、決算の審議は所轄常任委員会に付託し、各常任委員会で審議がされていたが、予算、決算特別委員会に切り替わり議員全委員が出席して討議する体制ができている。

宇多津町議会では議会基本条例を制定して年2回の議会報告会の開催や、各種団体との意見交換会を行っている。一般質問では一問一答方式を行っている。
また議案の賛否はその理由を広報に書くことにしている。

大山崎町議会は今後、「情報発信」「通年議会」「反問権付与」等目指している。

北島町議会は一般質問対面方式、一問一答方式。
・女性議会、中学生議会、小学生議会を実施している。
議会報告会を開催することにより説明責任を果たし、また町民意見を聴衆している。
・一般会議を開催し、婦人会、商工会など団体との意見交換会を実施している。
答弁の経過を理事者より提出させている。

久御山議会
日曜議会、議会見学会、各種団体等と議会、対話。
住民と議会との懇話会。議会本会議インターネット配信。
検索サイトで議員の発言内容を公開。
議会だよりは子供たちの活動を掲載。

琴平町議会

議会だよりには一問一答を公開。時々町長にやり込められる議員もいる。
本会議2日前に答弁書をもらう。

講評
・コンパクトタウンは豊かな町の連携を作った、議会の自立権を確立した。
いま、街に必要なのはこれだ、これが必要なのだとの思いで戦っている。
これからのまちづくりは理想に向かって進んでほしい。などの評価があった。

・各町の議会の取り組みは真剣そのもの、住民が求めているものと違っていればそれは議会の存在価値はない。住民との対話によって説明のできる納得のできる町政運営でなければ益々不満と不振が増してくる。

・町が何かを始めるときには規模や程度、必要性、費用対効果など根拠の整合性が問われる。
日常的に住民との対話を重ね信頼される町議会とはどんなものかを真剣に考え、長期的な展望に立って将来世代から評価される議会が求められている。

・住民側からも厳しい視線が常に注がれていることも認識しなければいけない。

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